遠野物語

2006年9月15日 「民話の里、遠野」を尋ねました。

岩手県北上市での仕事が前日の午後に終わり、折角の機会なので寄り道先を探した結果、
初めて
「民話の里、日本の故郷 遠野」を尋ねました。
柳田國男の「遠野物語」で有名な遠野がここだと言うことを、今回漸く知りました。
花巻から釜石線のディーセルカーに乗り約50分、三陸海岸の釜石への中間の山の中、水の綺麗な静かな町でした。
 
 河童、オシラサマ、座敷童子(ザシキワラシ)、マヨイガ、山ノ神、デンデラ野(姥捨て)・・・
ミステリアスだけれど懐かしい世界。5,000円の1日バスツアーに参加し、駆け足で見て廻った。
何も無いけど日本の昔がある。いつか又、帰って来たいなという気分になる里でした。







右の写真は「JR遠野駅」、2階が今回宿泊したB&Bホテル「フォルクローロ遠野」。
駅の真上で便利、部屋も広く設備よし。1泊6300円〜 пF0198-62-0700

 

遠野駅前では河童がお出迎え
鍋倉城址から遠野市街を望む


 遠野の盆地は昔は大きな湖で、鮭が遡上したそうな。それで遠野の昔話には鮭が出てくる物もある。
朝の散歩で城跡に登ると町が一望できた。
明日(16、17日)は遠野の秋祭りで、有名な鹿踊り(ししおどり)があり、3万人の観光客が押し寄せるとの事でした。
祭りの前触れの山車が南部ばやしを流しながら、廻っていました。



駅前郵便局のポストの上にも河童。
これはメスカッパです。
(私はカッパの性別が解るようになりました)


駅前交差点の信号の上に「座敷ワラシ」
座敷ワラシが居る家は栄える。
しかし、その姿を見てしまったら、その家は没落するとのこと。


昼食の「おっつみ汁定食」800円
要するに「スイトン」ですが、
これがなかなか美味しかったよ。
蔵の道ギャラリー

 白壁が美しい蔵造りのギャラリー。
イベントの開催、生活骨董や木製おもちゃ等の展示。





今回は時間が無くて、外観だけ見てきました。
(入場無料)

南部曲り屋

 遠野には「南部曲り屋」と.昔の農村の生活道具などを
保存展示する場所が幾つかある。
今回のバスツアーは「千葉家の曲り屋」、「遠野ふるさと村」、「伝承園」を廻った。
いずれもよく保存され、昔の素朴な生活がしのばれる。





人馬一体の生活で、入り口にまず厩がある。
裕福な農家では馬の寝ずの番をする下男が居たり、
寒い冬に餌を温めて与えるために馬用のカマドがあったりして、
馬を家族同様に大切にしていた。



蚕の繭



絹糸のつむぎ車



織機
オシラサマ伝説から始まった蚕の飼育、絹糸、織物などは大切な暮らしの糧だった。



茅葺屋根の内側はこうなってます。
(木と縄で茅を固定している)



葺が美しい伝承園の曲り屋
(重要文化財) 安倍首相では無いけれど、“美しい日本は残したいですね。
こういう建物を見ると、現在の日本家屋の無節操で無秩序な建築様式に腹が立つ。(自分の家もそうだけど・・・)
ヨーロッパの旧市街のように、法律で外観を規制して、美しい日本の里や街の景色が維持できないものか?
昔は茅場で茅を育てて、村人が助け合って屋根の葺きなおしをしたようだが、現在では材料の茅も技術を持った職人も少なくて、
このような伝統家屋の維持には大変なお金がかかるようだ。屋根の葺き替えは数千万円かかるそうです。





昔の台所です



語り部 民話
南部曲がり屋の中の囲炉裏端で昔話を聞かせて戴いた。
1日バスツアー「遠野物語めぐり号」のガイド(伊東弘美)さんが、遠野で一番若い“昔話語り部”だそうで、もちろん地元の方言で『オシラサマ』の話を聞かせてくれた。



『オシラサマ』の話(あらすじ)

むかす、あったずもな・・・
昔あるところに貧しい百姓.がいた。女房はすでに無く美しい娘が居た。また一頭の馬を飼っていた。
娘はこの馬をたいそう可愛がり、夜も厩で寝るほどで、ついには「馬と夫婦になる」と言いだした。
父はこのことを知り、ある夜に娘には知らせずに馬を連れ出して、桑の木に吊り下げて殺してしまった。
娘は驚き悲しんで桑の木の下へ行き、馬の首にすがって泣いた。
父はそれを憎しんで、斧で馬の首を切り落とした。
すると娘はその首に乗って天に昇ってしまった。
父は馬だけでなく娘までも失ってしまって、途方にくれていたが、
後日、娘が夢枕に現れて、父の生活の糧に蚕を飼い絹糸をつむぎ絹の織物を作る方法を教えた。
これが養蚕の始まりである。
・・・どんどはれ。



縁結びの神様
左手で赤い布を結べたら願いが叶うそうな。
もうチョット若ければナー
しかし、同じツアーのおばちゃん達は、しっかり結んでたよ




「オシラサマ」がいっぱい・・・チョット不気味



カッパ淵
やって来ました『カッパ淵』カッパに会えるはずは無いけれど、話のタネに見ておこう。
地元の80歳くらいの老人が昔ここで「本当にカッパを見た!」と言う話が広がって、ここが有名になったそうな。
遠野近辺では「カッパ淵」は幾つかあるようです。
昔は本当にカッパが居たと信じます。おそらく、すでに絶滅したカワウソやラッコのような動物だったのではないか?
昔は鮭がたくさん遡上したようだから.、これを追ってきたのではないか・・・
ヨシ、河童研究でも始めるか!!


このカッパはメスで赤ちゃんにお乳を吸わせています


常堅寺裏のカッパ淵・・・確かにカッパが出そうな雰囲気だが、今では携帯電話片手のカッパばかり?


これならきっとカッパが居るよね!!
しかし、水は澄み切っていて、とてもキレイ。深さは30cm位。 カッパはどこに潜ってるの??



カッパの狛犬